環境マネジメントシステム

袖ケ浦製油所では、環境マネジメントシステムを構築し、このシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得、組織的・継続的に環境改善に取り組んでいます。また、環境に配慮した製品の生産、省エネルギーの推進、大気・

水質汚染の防止、廃棄物の削減に取り組んでいます。

品質マネジメントシステム

袖ケ浦製油所では、品質マネジメントシステムを構築し、このシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得、 組織的・継続的に顧客満足度の向上に取り組んでいます。

環境にやさしい製品供給

袖ケ浦製油所では全ての製品において、お客様の品質要望に応えるとともに、製品使用時の環境負荷が最小となる製品の供給に取り組んでいます。また、バイオガソリン(植物生まれのバイオエタノールと石油系ガスのイソブテンを合成した「バイオETBE」を配合したレギュラーガソリン)の供給を2010年1月から開始しました。

各製品の環境対策

第2流動接触分解装置
重油の製造を削減しガソリン生産などを拡大。

ガソリン:硫黄分、ベンゼン濃度、バイオガソリン
2000年 ベンゼン1%(体積)以下
2002年 プレミアムガソリン
硫黄分10ppm(質量)以下
2005年 レギュラーガソリン
硫黄分10ppm(質量)以下
2010年 バイオガソリンの供給

第4軽油水素化脱硫装置
ディーゼル車排出ガスから出るSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)低減対策のためサルファーフリーの軽油を生産。

軽油:硫黄分
1997年 500ppm(質量)以下
2003年 50ppm(質量)以下
2005年 10ppm(質量)以下

減圧残油熱分解装置(ユリカ装置)
アスファルトの熱分解で低硫黄燃料と石油ピッチを生産。

低硫黄燃料
硫黄分0.1%(質量)以下の重油を供給し大気汚染防止に貢献
石油ピッチ
重質油(アスファルト)を熱分解し、低硫黄燃料に転換すると共に石油ピッチを生産しています。この石油ピッチはボイラー燃料や製鉄用のコークス原料として有効活用しています。

環境負荷の低減

袖ケ浦製油所では環境保全の推進のため、継続的に事業活動にともなう環境負荷の低減に取り組んでいます。

大気汚染対策 製油所からの硫黄酸化物、窒素酸化物等の排出を抑制するための環境対策の実施
水質汚濁防止、水資源の節約 生物処理装置、凝集沈殿処理装置等による廃水の浄化、工業用水の再循環使用による水資源の節約
化学物質の管理 特定化学物質の適正管理、有害化学物質であるベンゼン等の製造施設の密閉構造化、タンクの内部浮屋根式化による揮発性有機化合物の大気への排出量の削減
廃棄物抑制・リサイクル対策

産業廃棄物最終処分量の大幅な削減 (業界の削減目標89% (2000年度比)に対し、既に

100%達成)、再利用方法の開拓の促進

海上油濁防止対策 流出油防止堤、流出油検知器等の設置、油濁防除資機材の確保、流出油防止訓練への積極的参加

低温排熱利用システム

富士石油袖ケ浦製油所では、省エネルギーの活動範囲をコンビナート複数工場に拡大し、大気に放出していた150℃以下の低温排熱を従来の利用限界を超えて複数工場間で段階的に共有し利用するとともに、それでも余剰となる低温排熱を高効率で電力に変換することで更なる省エネルギーの創出に取り組んでいます。

 

この取り組みによる実証成果が評価され、住友化学(株)、千代田化工建設(株)とともに2006年度「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。

 

当システムは、以下の2つのシステムから構成されています。

1. 複数工場間エネルギー共有設備システム

複数工場で排熱からエネルギーを回収して共有する設備システムです。富士石油内のプロセスプラントで廃棄されている80℃~150℃程度の低温排熱を、新設した熱交換器で、隣接する住友化学から送られたボイラー水を約110℃に加熱回収して、住友化学へ供給することで、ボイラーの燃料を削減するシステムです。

 

従来、大気や冷却水へ廃棄していた熱を利用してボイラー水を加熱するため、加熱に必要な燃料が節減できるようになりました。

2. 低位熱発電システム

富士石油内の蒸留塔塔頂熱(~115℃程度の低温排熱)を熱源に、高圧アンモニアガスを発生させてタービンを駆動させ発電するシステムで、2006年10月から運転中です。

 

この熱源は、従来、空冷式熱交換器で大気に放出されていた排熱を新たに設置した熱交換器で熱回収して利用するため、発電量に相当する化石燃料分の削減が可能となりました。

 

コンビナート内の大型プロセスプラントの低温排熱を直接熱交換して利用した発電システムとして、世界に先駆けて実証したもので、運転安定性に優れたシステムです。

省エネルギーの成果

これらのシステムによる省エネルギー量の年間合計は原油換算で10,700KLでした。また、エネルギー共有設備システムや低位熱発電システムでは新たな燃料を使用しませんので、CO2換算排出削減量は、年間合計で28,000トンになります。これらのシステムは、地球温暖化ガス排出の削減にも大いに貢献しています。

太陽光発電によるクリーンなエネルギー供給

当社子会社である富士臨海(株)は、当社の中袖原油備蓄基地内の遊休地を利用した太陽光発電事業(発電能力:1MW)を行っています。

これにより、クリーンなエネルギー供給を行い、当社グループとして環境負荷低減に貢献しています。