事業環境・業績

定期修理実施年としては安定した利益水準

2017年度の業績につきましては、袖ケ浦製油所において、昨年5月から6月にかけ全ての生産設備の運転を停止し、保全・補修作業を行う4年に1度の大規模定期修理を実施した影響などもあり、当社株主に帰属する当期純利益で前期比75億円減益となる79億円となりました。

主な要因を申し上げますと、石油製品市況が堅調に推移したことによる販売マージンの改善や、2015年より建設工事を進めてきたアスファルトピッチ焚きボイラー・タービン発電設備(ASP-BTG)の稼働開始による精製コストの削減効果等がプラス要因となったものの、在庫影響による原価の押し下げ要因が前期と比較して小幅にとどまったことや、大規模定期修理の影響等による販売数量の減少、関連コストの増加等がマイナス要因となりました。

この結果、前期比では減益となりましたが、定期修理実施年としては一定水準の利益を計上することができました。

需要構造の変化への対応と収益性の向上

袖ケ浦製油所では、大規模定期修理期間中に、重油留分を原料にガソリン・化成品等の高付加価値製品を生産する第2流動接触分解装置(第2FCC装置)の増強工事を実施しました(設備能力:日量24千バレル(2017年6月末付で日量3千バレル増強))。前期に能力増強を実施した減圧残油熱分解装置(ユリカ装置)と併せて、両分解装置の能力増強は、重油需要の減少など需要構造の変化への対応であると同時に、高付加価値製品の増産による収益性の向上に資するものであります。

今後の事業展開

我が国の石油業界では、エネルギー供給構造高度化法の第二次告示への取り組みなどを通じて供給能力の適正化が進み、国内石油製品マージンは堅調に推移しておりますが、少子高齢化の進行や低燃費車の普及等によって石油製品の内需減少傾向は一貫して継続するなど事業環境はより一層厳しさを増しています。

こうした事業環境認識のもと、当社としては、袖ケ浦製油所の一段の競争力強化を図り、国内のみならずアジア新興諸国等への石油製品の供給を拡大するなど、海外における事業機会を確実に捉えていきます。

具体的には、昨年5月に策定した2017~2020年度を対象とする第二次中期事業計画に基づき、以下に掲げた経営課題に対し、引き続き積極的に取り組んでまいります。

 

(1)稼働信頼性の維持・強化

(2)高付加価値化・コスト競争力強化

(3)輸出対応力強化

(4)新規事業展開の検討

 

本中期事業計画を通して、一層厳しさを増す事業環境においても安定的な収益拡大を実現し、財務体質の改善・強化、株主還元の拡充、さらなる競争力強化に向けた追加設備投資の実施等による企業価値の向上につなげてまいります。

株主還元

当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題のひとつとして考えており、中・長期的な事業発展のための内部留保の充実に留意しつつ、業績ならびに資金バランス等を勘案のうえ安定的な配当の継続に努めることをグループ経営方針にも掲げています。

2017年度の配当に関しましては、当期の業績を鑑み、1株につき8円とさせていただきました。なお、2018年度の配当につきましては、1株につき8円を予定しております。

株主・投資家のみなさまにおかれましては、引き続き当社事業へのご理解と、今後の事業発展に向けた長期的なご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 

2018年6月
富士石油株式会社

代表取締役社長