連結業績

2022年3月期の業績につきましては、袖ケ浦製油所において、2021年5月から7月にかけて、すべての生産設備の運転を停止し保全・補修作業を行う4年に1度の大規模定期修理を実施しました。この影響により販売数量は減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益においては前期比87億円増益となる152億円となりました。主な要因として、原油価格の上昇に伴い在庫影響が187億円の原価押し下げ要因となったことや、第4四半期以降の国内製品マージンの急激な上昇等の増益要因が大きかったことが挙げられます。

今後の事業展開

当社は、2022年3月期~2025年3月期の4年間を対象とする第三次中期事業計画を策定しております。この中期事業計画で掲げた重点課題について、以下の通り取り組みを推進しております。

 

(1)石油精製事業の更なる基盤強化

 

①稼働信頼性の強化

大規模定期修理におきまして、高経年設備の集中検査を実施し、修理や機器の入れ替え更新を行い、安定的に高稼働できる素地を整えました。その効果もあり、大規模定期修理後の2022年3月期の下期の常圧蒸留装置の稼働率は98%と、高い稼働率を維持することが出来ました。また、無線計装推進団体「ISA100 WCI」より、世界で毎年1社に贈られる、「Excellence In Automation Award Winner」を受賞しております。無線計装技術は当社の強みであり、こういった技術を活用した異常予兆検知システムを導入しております。また、現場点検業務のドローンの活用も、2022年3月期中に、実証まで済ませております。

 

②コスト競争力の強化、競争優位の確立

アルキレーション装置の能力増強、高付加価値装置である流動接触分解装置の効率改善などを図っております。また、DXを活用した生産最適化の検討を始めております。

 

(2)脱炭素社会に向けた取組強化

 

①製油所の徹底した環境負荷低減

脱硫系装置・改質装置について省エネ投資工事を行っております。また、実機ボイラーでアンモニア混焼を行うための配管接続工事を2022年3月期中に完了しております。

 

②脱炭素ビジネスの追求

バイオ燃料について環境エネルギー株式会社と共同研究を行っております。また、更にバイオ燃料・燃料アンモニアの事業化に向けて、プロジェクトチームを発足させております。今後、脱炭素への取り組みのキーとなるバイオ燃料・燃料アンモニアの領域にも、プロジェクトチームによる事業化に向けた検討を行ってまいります。

 

当社は今後も立地優位性と高い重質油処理能力を誇る袖ケ浦製油所を拠点に、エネルギーの安定供給という社会的使命を果たし続けるとともに、第三次中期事業計画を指針として脱炭素ビジネスなどの新規事業育成にも注力し、企業価値の向上に努めてまいります。

株主還元

当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題のひとつとして考えており、中・長期的な事業発展のための内部留保の充実に留意しつつ、業績ならびに資金バランス等を勘案の上、安定的な配当の継続に努めることをグループ経営方針にも掲げております。

当期決算においては2期連続の黒字となった一方で、在庫影響を取り除いた実質ベースでは赤字であり、また、財務体質の改善途上にあることも含めて総合的に勘案し、2021年3月期と同額の1株当たり10円とさせていただきます。また、次期の配当につきましても、1株あたり10円を予定しております。

株主・投資家のみなさまにおかれましては、引き続き当社事業へのご理解と、今後の事業発展に向けた長期的なご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 

2022年6月
富士石油株式会社

代表取締役社長 社長執行役員